第10回サイバー歌会
(2003年7月7日~7月26日)

作 品 作者名
1  老いてなおわたしの星は夏の夜に短冊つけて銀河流るる 柴山 保
1票(江村)
2  サンダルをぬらす夕立青臭し探検ごつこに明け暮れし日よ 冬野由布
3票(長谷川・三宅・杉森)
3  ふらここは夏空に垂れわたくしはゆふべの酒量考へてゐる 山下好美
6票(都築・江村・冬野・柴山・みと・新井)
4  夏の闇なつかしいんだコインロッカーベビーじゃないがヘビーな育ち 崖巣カイン
3票(長谷川・大塚・新井)
5  西方より吹く風涼しい盛夏前鋭気やしなう夕方窓辺 真鍋ゆかり
無票
6  買い手なく閉ざされしまま夏深し倒産のカンパニー草木くろぐろ 久米 玲
無票
7  ひとえブラウスミニマムスカート夏が来た女子高生よ君らの季節だ 穂里 尚
無票
8  夏に入り爪に塗る液体を買う妊娠検査薬もついでに 菊池 裕
3票(矢嶋・堀田・冬野)
9  煉獄を見てきたやうな朱に咲くグラジオラスの饒舌の舌 徳高博子
1票(中山)
10 着なくなりにし空色のワンピースあるいはわれの夏のぬけがら 江村 彩
1票(大塚)
11 君と見し木橋のうへを舞ふ蛍今もひとりのさ夜を光りて 澤木宏明
3票(徳高・舟橋・三宅)
12 地球照月(アースシャイン・ムーン)のようなコンタクトレンズに映る真夏の孤独 神崎ハルミ
3票(武田・みと・久米)
13 ヒトラーの項に開くひがら傘真昼に脆き人もどきかな 堀田季何
1票(服部)
14 マシュマロが口中に淡く溶けてゆくノーマ・ジーン忌わが誕生日 新井みか
5票(澤木・山下・矢嶋・武田・宮坂)
15 とほき日の窓に棲みゐし夏雲か夕ひかり積む壮年の空 大塚寅彦
4票(都築・江村・みと・菊池)
16 小麦色の君の背ひろく夏の夜の肩甲骨はさみしきけもの みとさとみ
5票(澤木・大塚・新井・杉森・服部)
17 デスクトップの中は永遠の海にして煙れるやうに夏暮れてをり 宮坂いづみ
3票(長谷川・山下・菊池)
18 失ひし恋を思ひて片白しゆふぐれに半夏生仄めきつ 長谷川と茂古
4票(堀田・矢嶋・柴山・中山)
19 ノースリーブの二の腕にする刺青のしろい二十歳にはうあをい縄 矢嶋博士
3票(澤木・武田・服部)
20 息こらえ仰ぎ見ている突風にめくれつづける水のうらがわ 都築直子
5票(柴山・神崎・舟橋・久米・宮坂)
21 島めぐるバスにいつしかふたりのみ夏の迷路かも知れぬこの道 杉森多佳子
3票(堀田・神崎・三宅)
22 風鈴、からん い草新たし寝転びて「お母さん」 ぽつり咽喉打つ 中山庭伯
1票(徳高)
23 菩提樹の花咲く下に眠りなば天上天下しんしんと夏 服部文子
2票(徳高・中山)
24 雷鳴と豪雨激しく窓をうつ真夏近しと告げるが如く 三宅貫逸
無票
25 ゆらゆらとひまわりの影 ぜんまいが巻き戻るまでつかるぬるま湯 舟橋剛二
3票(都築・山下・杉森)
26 そこだけが冷たい真夏暮れ残る空に三日月吊るされていて 武田ますみ
6票(冬野・神崎・舟橋・久米・宮坂・菊池)
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