作 品 |
作者名 |
1 老いてなおわたしの星は夏の夜に短冊つけて銀河流るる |
柴山 保 |
1票(江村) |
2 サンダルをぬらす夕立青臭し探検ごつこに明け暮れし日よ |
冬野由布 |
3票(長谷川・三宅・杉森) |
3 ふらここは夏空に垂れわたくしはゆふべの酒量考へてゐる |
山下好美 |
6票(都築・江村・冬野・柴山・みと・新井) |
4 夏の闇なつかしいんだコインロッカーベビーじゃないがヘビーな育ち |
崖巣カイン |
3票(長谷川・大塚・新井) |
5 西方より吹く風涼しい盛夏前鋭気やしなう夕方窓辺 |
真鍋ゆかり |
無票 |
6 買い手なく閉ざされしまま夏深し倒産のカンパニー草木くろぐろ |
久米 玲 |
無票 |
7 ひとえブラウスミニマムスカート夏が来た女子高生よ君らの季節だ |
穂里 尚 |
無票 |
8 夏に入り爪に塗る液体を買う妊娠検査薬もついでに |
菊池 裕 |
3票(矢嶋・堀田・冬野) |
9 煉獄を見てきたやうな朱に咲くグラジオラスの饒舌の舌 |
徳高博子 |
1票(中山) |
10 着なくなりにし空色のワンピースあるいはわれの夏のぬけがら |
江村 彩 |
1票(大塚) |
11 君と見し木橋のうへを舞ふ蛍今もひとりのさ夜を光りて |
澤木宏明 |
3票(徳高・舟橋・三宅) |
12 地球照月(アースシャイン・ムーン)のようなコンタクトレンズに映る真夏の孤独 |
神崎ハルミ |
3票(武田・みと・久米) |
13 ヒトラーの項に開くひがら傘真昼に脆き人もどきかな |
堀田季何 |
1票(服部) |
14 マシュマロが口中に淡く溶けてゆくノーマ・ジーン忌わが誕生日 |
新井みか |
5票(澤木・山下・矢嶋・武田・宮坂) |
15 とほき日の窓に棲みゐし夏雲か夕ひかり積む壮年の空 |
大塚寅彦 |
4票(都築・江村・みと・菊池) |
16 小麦色の君の背ひろく夏の夜の肩甲骨はさみしきけもの |
みとさとみ |
5票(澤木・大塚・新井・杉森・服部) |
17 デスクトップの中は永遠の海にして煙れるやうに夏暮れてをり |
宮坂いづみ |
3票(長谷川・山下・菊池) |
18 失ひし恋を思ひて片白しゆふぐれに半夏生仄めきつ |
長谷川と茂古 |
4票(堀田・矢嶋・柴山・中山) |
19 ノースリーブの二の腕にする刺青のしろい二十歳にはうあをい縄 |
矢嶋博士 |
3票(澤木・武田・服部) |
20 息こらえ仰ぎ見ている突風にめくれつづける水のうらがわ |
都築直子 |
5票(柴山・神崎・舟橋・久米・宮坂) |
21 島めぐるバスにいつしかふたりのみ夏の迷路かも知れぬこの道 |
杉森多佳子 |
3票(堀田・神崎・三宅) |
22 風鈴、からん い草新たし寝転びて「お母さん」 ぽつり咽喉打つ |
中山庭伯 |
1票(徳高) |
23 菩提樹の花咲く下に眠りなば天上天下しんしんと夏 |
服部文子 |
2票(徳高・中山) |
24 雷鳴と豪雨激しく窓をうつ真夏近しと告げるが如く |
三宅貫逸 |
無票 |
25 ゆらゆらとひまわりの影 ぜんまいが巻き戻るまでつかるぬるま湯 |
舟橋剛二 |
3票(都築・山下・杉森) |
26 そこだけが冷たい真夏暮れ残る空に三日月吊るされていて |
武田ますみ |
6票(冬野・神崎・舟橋・久米・宮坂・菊池) |