第17回サイバー歌会「夏」(2007年8月)

作 品 作者名
1 うねりゆくグリングラスの風の中生まれたばかりの夏の白雲 ツバキ
8票
2 夏深き夜々まさぐるはわが過去に消えし一つの白きゐさらひ kfuna
0票
3 勝虫を肩に従え揚々と炎帝よ吾に傅き給え 村田馨
4票
4 西の街燃やし尽くして真夏日のブレスのような蒼き夕暮れ さとみ
10票
5 引き潮が足裏の砂を攫い行くさようならでもいいかもしれない テレジア
8票
6 ぽろろろろぷるるるるるるぽうとなりボクはこわれた暑の夏い日 おかめ
6票
7 ひっそりと朝がはじまり色あせた梔子あまい花びらこぼす やや
4票
8 驟雨さり「アホーアホー」とからす鳴く辻はたそがれ野の果て見えず
2票
9 隆起せよ隆起せよとて農道を食らふ緑魔が押し寄せてくる 初雁
8票
10 炎天をゆくは嵐をゆくよりも苦しき性と肉の不一致 るーしぇ
1票
11 アスファルト灼けてゆらめく熱のなか電柱たちはひたに立ちをり 靑傘
3票
12 夏海の青き視界に吹き抜けし風はちひさな痛みを持ちて 深海
5票
13 台風がくる前なぜが目眩して身の内のふわふわと呼応せり さちこ
1票
14 こころざしいかに研ぐべし鏡面の冷たき額(ぬか)に夏の汗当つ トラヒコ
12票
15 陽に燃ゆる石に黒揚羽揺らぎゐて森閑たり なべて遠ざかる昼 あーさ
7票
16 美術館より出でたれば青空につばくらの描く直線を見ゆ 瑞紀
7票
17 みんなみの島の涯(はたて)に雲の湧く泉ありたり オナラをする神 QUA
2票
18 黒色のパラソル行き交う午後3時欠席届をポストへ落とす マダムチュウ
8票
19 渡し場に汽船を待てば川風に海風交じり吾が頬を撫づ 伯爵
6票
20 努力するつもりはさらさら初夏の枝豆の実を絡め取る舌 ますみ
7票
21 のくわんざう藪萱草の咲く畔を行けどもゆけども夕映えのなか 希理子
13票
22 生きるため色を変えたる紫陽花を哀れと思い悲しく思う めぐ17
0票
23 陽炎のうちに立ちたる社のビルの扉(と)より入る人揺れつつぞ消ゆ えすあい
1票
24 くろがねの風鈴りーんとすましをり人の熱さを思ふ夜半に てん
4票
25 太陽のフレアのやうなたてがみを黄に燃やしゐるひまはりの夏 やまうらねこ
2票
26 夏に雪、いや紙吹雪舞つてゐた劇中劇の中の灼熱 ピカビア
2票
27 天空をながるる夏の悠久を咲きつぎゆけり 無窮花(ムグンフア)の雲 MEG
6票
28 父逝きて緑陰の濃くなりし家静かな夏に呑みこまれゐし
13票
29 忘れぬと言いて忘れし空のかずかず今また夏の狂おし夕映え ひりすてん
0票
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