第15回サイバー歌会 歌評

13 花散りてうすくれなゐの土の上大地踏みしむ精霊のかげ

桜吹雪に覆われた土の上を、桜の精霊たちが踊る姿が目に浮かぶ。歌に巾があり、躍動感があって一番好感のもてる歌です。(川島千枝子)

踏みしめている主体は「精霊のかげ」なのだと思いますが、「精霊」という言葉と「大地を踏みしむ」という力強い言葉が不釣り合いのように思われます。春を運んでくる精霊の力強さを詠わんとしているのだとすれば、上の句が、ややぼやけて見える気がします。踏みしめている主体が「われ」だとして、「大地を踏みしめると精霊のかげが見えた」というような意味だすれば、「精霊のかげ」の結びでは不十分だと思います。また、「土の上」のすぐ後に「大地」がくるのも、ダブりのように見えます。とても美しく幻想的な情景が目に浮かぶだけに、詠わんとすることが明確に見えてこないのが残念に思いました。(ほにゃらか)

精霊が大地を「踏みしむ」という表現するのはしっくりこないなと思いました。精霊には重さはないでしょうから踏みしめられない感じがします。しかし、踏みしめるのがわれであるととらえると、情景がつまらなくなるように感じます。土の上の散った花びらの動きに「精霊のかげ」を感じ取ったのでしょうか。(やすまる)

桜の花のたくさん積もっているところをみるとわけも無く踏みしめてします私です。精霊のかげと精霊の気配を歌う方もあるんですね。私は自分が精霊に成りすまし踊りそうです。描写であればもう少し細かく上の句を描写なさった方が説得力が出てくると感じました。(mohyo)


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