第15回サイバー歌会 歌評

14 芳しき戦乙女が踏み鳴らすターフ、一陣の花吹雪かな

「ターフ」とあるので、「戦乙女」とは牝馬のこと。つまりは、4月9日におこなわれる競馬のGⅠレース「桜花賞」を詠んだ歌ですね。桜花賞と言ってしまわない所は巧みですが、全体的に説明で終わってしまっていて、やや物足りなさを感じました。特に、後半部「一陣の花吹雪かな」にもうひと工夫ほしかったです。ところで、レース結果はさておき、阪神競馬場の桜の管理は見事で、毎年桜花賞に合わせて見事な咲き様を見せてくれますけれど、今年はどうでしょうね。(伊波虎英)

「ターフ」は芝ですね。ふつうは競馬の芝コースを思い浮かべるのだと思います。きっと競馬の牝馬のことなのでしょうね。でも、わたしは競馬のことが分からないので、戦乙女という言葉から、宮里藍ちゃんなどの女子ゴルファーをイメージしてしまいました。今、若い女子ゴルファーが、ブームを巻き起こしている感があります。まるで一陣の花吹雪かと思うように。さて、「芳しき」はどこに掛かっているのでしょうか。基本的には直後の「戦乙女」にかかるのでしょうが、「ターフ」にも「花吹雪」にも、全体にも掛かっているように見えます。全体的に「芳しさ」を表現なさりたかったのでしょう。本来「芳しき」は素敵な言葉だと思うのですが、「乙女」などを修飾する言葉として使うと、掲示板などでの使われ方を連想してしまい、残念ながら途端に下品な言葉に見える気がします。(ほにゃらか)

小学校から結婚するまで東京府中育ちの私は馬は競馬馬しか見たことが無く農耕馬を観て驢馬だと言い張り友人から顰蹙を買ったことがあります。馬の家畜化が世界史を変えたことも確かです。情報のスピード化広範囲の防衛力。競馬があるとき救急車が走れない消防車も走れない気をつけろといわれたこともあります。この歌の最後の締めの一陣の花吹雪というのはありきたりで折角の上の句の緊張感がコケるようでもったいないと思いました。 (mohyo)


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