第15回サイバー歌会 歌評

19 天衣無縫の天うつくしく花の香に洗われていく胸のみずうみ

「花の香に洗われていく胸のみずうみ」は美しいです。なので、その直前の「うつくしく」はなくてもよいのではと思います。「天衣無縫の天」がわかりませんでした。天女のことでしょうか?そこがわからないので、歌全体の意味が私にはわかりませんでした。(やすまる)

天衣無縫は(天人の衣服には縫い目がないように)詩歌など技巧のあとがなく完全である様子をいいます。俗に天真爛漫の意にも使われます。天衣無縫の天というのは春の空がひろびろと広がっている様子でしょうか。天衣無縫の用法でこのような使い方があるのも初めて知りました。「うつくしく」は言わないで美しさが解るような言葉にした方が春を満喫している様子が伝わるのではないでしょうか。胸のみずうみは弱い気がしました。(mohyo)

「天衣無縫の天」を『天衣無縫ということばにおける天』ととらえていたので、天女のことであろうかと思っていました。そうですね『天衣無縫である天』ととらえれば意味はわかりますね。mohyoさま、ありがとうございます。空があまりにも美しい、流れてくる花の香に胸の内なるみずうみが洗われていく思いがする、ということだとすると、空が完璧に美しいのにその空に胸のみずうみが洗われるわけではないんですね。「天衣無縫の天」がもったいないような気がしました。(やすまる)

桜の美しさを詠う、ある種王道といえる方法かと思います。(村田馨)

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