第15回サイバー歌会 歌評

21 そうなんだ 君がこの世にいないのに春は桜を咲かせているよ

すっきりとわかりやすい歌。君がこの世にいなくても、春になれば桜は咲く。その事実を改めて認識した作者は素直に「そうなんだ」と歌った。「そうなんだ」が初句にあることもちからになっている。(近藤かすみ)

解り易く切ない歌です。「日はまた昇る」というフレーズを思い出しました。友人は昨年お連れ合いを亡くされた。彼女は行動的に活動し周辺は元気になったと安心している。でも本当はじっとしていると耐えられないんだと思う。彼女は今年いろいろなところで桜を見ている。知らない振りして水道橋駅近くの地下にある居酒屋「かあさん」でおでんを食べて映画をみた。彼女が私にかたりかけている歌のようだ。口に出されたら私は言葉を失うからしらんふりしてたべているけれど。(mohyo)

悲しい気持ちを明るく詠ったところが共感を誘う作品です。冒頭、「そうなんだ」が呼び水としてうまく働いています。(村田馨)


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