第15回サイバー歌会 歌評

35 春日中さくらの香り深く吸ふひるむは吾の老ひ言上げしのち

桜の香りを深く吸う行為は、つくづく贅沢なことだと思います。作者の幸福感が伝わってきます。また、下の句からは、老いの辛さも伝わってきます。ただ、ひるんでいるのが、老いている(という設定の)作者でしょうか、桜でしょうか、それとも第三者でしょうか。そこが分かりにくいのが残念です。あと、蛇足ですが、「老ひ」は「老い」、「言上げし」は「言挙げし・言揚げし」が正しい気がします。(るか)

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